[
イース
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イースII
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《 イース II 》
空の色が青みを帯びてきた。
重くたれこめていた雲が、ゆっくり流れ消えてゆく。
どこからか明るい鳥のさえずりが聞こえはじめた。
朝日が昇ろうとしていたのだ。
あたたかく満たしてゆく、冒険者だけが知る充実感。
時の感覚を失っていたアドルは、
ひとり戦いの終わりをかみしめていた。
床に崩おれたダルク=ファクトの黒いマントの下から
最終章が記された、イースの本が見つかった。
塔の窓から地上を見おろすと、
朝もやに包まれたゼピック村が見えた。
ジェバ婆さんの家も見える。
「そうだ、地上に帰ったら、
一番にこれまでのことをフィーナに話してあげよう」
優しく微笑む彼女の顔を思い浮かべるアドルを、
やわらかな光がつつんでゆく。
「イースの本六冊がそろう時、大いなる力が生まれる…」
不思議な光は徐々に強さを増し、
アドルにはもう辺りを見ることもできない。
アドルには聞こえない声で、光が告げる。
「本当の戦いは、まだ終わってはいないのだ。
選ばれし勇者よ、天空へ翔べ──」
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